当店は月刊誌における刀剣の通信販売の草分けであり、長い歴史を誇り、全国の刀剣ファンの皆さまから、あつい信用をいただいております。

 当店は、店頭販売にせよ、通信販売誌にせよ、古い刀を扱うのが主であります。しかし、ホームページによる販売となりますと、古い明治・幕末以前の刀は、たいへん高価ですし、形態もそれこそ千差万別でありますので、なかなかむずかしいと思います。

 その点、現代刀(げんだいとう)の居合刀に類するものは、他の商品に比べればやはり高価ですが、刀の中においてはそれほどのものではなく、また新しいので錆(さび)もなく、拵(こしらえ)も新しく傷み等もないので、ホームページの案内でも見当がつくと思います。

 何振か掲載しますので、どうぞお問い合わせください。

(ただ、海外の皆様への販売は、日本の刀剣類登録証の抹消手続きが必要となり、日時がだいぶかかりますので、現在のところはご遠慮させていただきます。申し訳ありません)。



(1)刀 肥後国住赤松太郎兼裕作 甲申年八月吉日(平成16年)

■鎬造り(樋入り)
  刃長 2尺3寸8分弱 (72.0cm)
  反り 6分弱 (1.8cm)
  元巾 1寸0分6厘 (3.21cm)
  先巾 8分 (2.42cm)
  重ね 2分6厘 (0.8cm)
  刀身全体の長さ 94.4cm
  刀身の重さ 700g強(はばきなしで)

■付属の拵(こしらえ)
   黒呂塗鞘打刀拵(金具は現代製)
 〈縁頭〉桜花散し図 銅石目地 赤銅色絵
 〈目貫〉二匹蟹図 銅地 容彫 金色絵
 〈鐔〉 波涛に馬図 鉄磨地 丸形 肉彫透し
 〈柄〉 白鮫着 濃茶色糸巻
 (拵の総長 106cm)

 当ホームページでもおなじみの、熊本県八代市在住の木村兼裕氏(本名・馨)の今年八月の新作。
 身巾広めで、先巾もあって元先の巾差少なく、常よりもやや反り深めの体配で切先延びる。地鉄、小板目つんで地沸がムラなくよくつく。刃文、小沸づく匂い勝ちの大小の丁子を連らね、尖り調の刃も交え、刃中足よく入る。帽子、乱れ込み先き尖りごころに返る。

● 82万円

 

(2)刀 肥前国保則 昭和五十八年十一月

■鎬造り(樋入り)
  刃長 2尺3寸3分 (70.6センチ)
  反り 5分7厘   (1.73センチ)
  元巾 1寸7厘強  (3.25センチ)
  先巾 7分5厘   (2.28センチ)
  重ね 2分5厘強  (0.77センチ)
  刀身の全体の長さ  92.3センチ
  刀身の重さ(1)  820グラム(ハバキなしで)
  刀身の重さ(2)  1100グラム(拵入り。鞘だけはずして)

■付属の拵(こしらえ)
  黒石目塗鞘打刀拵(金具は現代製)
  〈縁頭〉唐草図 鉄磨地 銀・真鍮線象嵌
  〈目貫〉武具図 銅地 容彫 金・赤銅色絵
  〈鐔〉小紋打ち込み図 鉄地に赤銅色絵 角木瓜形
  〈柄〉白鮫着 黒糸巻
  (拵の総長 101センチ)

 身巾あって重ねつき、しっかりとした姿に長さ頃合い。表裏に棒樋を彫り、互ノ目を小板目の地鉄に焼く。保則氏は本名・元村保広、佐賀市の郊外で作刀し、そろそろベテランの域である。父も兼元と銘を切った刀工で、二人とも斬れ味に優れるという。
 本作も現代刀ではあるが、まるっきり新しいというものではない。そのため柄糸など少し古びているが、逆に使い込んだ良さが出ている。金具も当時(約20年前)のものだから、だいぶ落ち着いてきている。鞘も傷みない口。

●銀無垢一重はばき付 拵入り(白鞘はなし) 65万円

 

(3)鐔 無銘 正阿弥

秋草に蛇図 赤銅磨地 長丸形 金色絵

 黒々とした赤銅磨地に、左下にとぐろを巻いた大きな蛇、右下の秋草の中からは小さな蛇が姿を現しており、親子蛇のようである。丸く高彫した蛇は鱗をこまかな鏨できざみ、蛇の目と舌、秋草に金色絵。
 鐔工・正阿弥派の使う素材は鉄が多いが、本鐔は赤銅を使った入念作。江戸後期。

◆ 縦68.6ミリ 横63.2ミリ 厚さ 4.7ミリ
● 保存刀装具鑑定書付 上製箱入り 8万5千円

 

(4)鐔 神道五鉄錬 明珍宗安

月に花透し図 鉄杢目地 撫角形 透し彫

 大きな撫角形に杢目鍛えを表した鉄鐔で、それに透しを入れ、甲冑師出身の明珍家の鐔工にはよく見かける技法の鐔である。中低に耳際を厚めとし、月に花と思われる奇妙な透しを入れる。
 宗安は土佐明珍派の鐔工で大江姓。明珍宗政の門人で、兜や面頬なども作っている。江戸後期。

◆ 縦79.2ミリ 横77.4ミリ 厚さ 3ミリ
● 保存刀装具鑑定書付 上製落し箱入り 5万8千円 御礼売却済

 

(5)鐔 佐州住 利貞

二股大根図 鉄地 長丸形 肉彫透し

 脇差用の鐔でやや小振りながら、透し彫と肉彫を組み合わせて上手に二股大根を彫る。大根をクルリまわして鐔の外周としているのも面白い。二股大根は大黒様の供物とされ、福を呼ぶといわれるめでたい図柄。
 利貞は、佐渡鐔と呼ばれて独特の作風から人気の高い派の代表工。江戸から佐渡に流された飾り職人の三左衛門が、佐渡の鉱山より採掘された鉄を使い作ったのが始まりと伝えるが、同派のほとんどの鐔は江戸で作られたという。江戸中期。

◆ 縦65.8ミリ 横63.5ミリ 厚さ 4.8ミリ
5万8千円 御礼売却済

 

(6)鐔 江府住 正次

帆舟に松に千鳥図 鉄磨地 長丸形 片切彫 小透し

 ツヤのある硬質な鉄の碁石形の鐔に、沖に浮かぶ帆舟と松に千鳥を彫る。帆の一部と千鳥と松の葉は小透しとし、松樹と波は片切彫。空を飛ぶ千鳥の姿は図案化されたもので、江戸後期によく見る姿。
 正次は銘鑑に十数人記載されているが、本鐔は江戸末期の伊藤正次(武州伊藤派とは別人)の作か。幕末。

◆ 縦70.4ミリ 横66.4ミリ 厚さ 5ミリ
4万円 御礼売却済

 

(7)鐔 武州住 正方

葉透し図 鉄地 変り丸形 毛彫 肉彫透し

 鍛えのよい鉄に、大胆に長い茎のついた葉を透す。葉脈を毛彫とし、虫食いの跡を透し彫とするなど写実的に彫られる。
 正方は武州伊藤派の三代目当主で、当時から人気が高く、門人たちの協力を得て、多くの鐔を作った。本鐔も伊藤派の典型作といえる一枚。江戸中期。

◆ 縦72.2ミリ 横67.8ミリ 厚さ 4.9ミリ
4万円 御礼売却済

 

(8)鐔 無銘 江戸赤尾

輪花茗荷透し図 鉄地 六木瓜形 角耳小肉

 耳を六木瓜形とし、内に花びらと思われる透しを入れた重ねの厚い鐔。櫃穴を茗荷風に形作り、縁を太め、内輪を細めとした上品な透しである。
 本作は鍛えよい鉄の透し鐔で、きわめて実質的であるが洒落たところも見られ、江戸の赤尾吉次あたりの作と思われる。赤尾家は越前の出であるが、一族の一人・吉次が江戸に移住し、越前と江戸の二派に分かれ鐔の専門工として栄えた。江戸中期。

◆ 縦76.6ミリ 横77.2ミリ 厚さ 6ミリ
5万6千円 御礼売却済

 

(9)目貫 無銘 奈良

鐙に鞭図 赤銅地 容彫 金色絵

 鐙(あぶみ)に鞭(むち)を横長に彫った大振りで見ばえのよい目貫。鐙と鞭の房に金色絵。鞭には節をつけ、柄部分には業平菱風の毛彫を入れる。馬具図は刀装小道具類にはわりあい多く見られ、武士の馬に乗ることに対する憧れがあったと思われる。
 奈良派の金工により作られたと思われる目貫。横長となった構図のまとめ方もうまく、柄に巻き込むとバランスよく、映える。江戸後期。

◆ 目貫の巾・左側55.3ミリ 右側52.1ミリ
4万2千円 御礼売却済

 

(10)小柄 無銘 加賀象嵌

短冊に色紙図 赤銅磨地 金平象嵌 裏・毛彫(月にススキ図)

 ツヤのある四分一地に、鮮やかな金平象嵌で、短冊と色紙を彫った小柄。重なるように彫られた短冊に色紙にはススキ・桔梗・菊などを細い毛彫とする。裏は月とススキを毛彫でスッキリと彫る。
 上質の素材に美しい平象嵌から、加賀象嵌師により作られたと思われる小柄である。江戸中期。

◆ 小柄の左右96.4ミリ
● 6万円

 

(11)縁頭 無銘 浜野

松に帆船図 赤銅七々子地 高彫 金色絵

 黒味の強い赤銅七々子地に、カシラは風を受け大きく帆を張った帆船と松、フチには松と紐が見え、船のロープかと思ったが、松枝が雪で折れるのを保護する「雪吊り」かもしれない。松は赤銅の高彫、帆と紐は金色絵。
 無銘ではあるが、浜野派の作と思われる縁頭。画題を大きくとり、しっかりとした彫り口で、迫力があって見ばえがよい。江戸後期。

◆ フチの巾・天地37.3ミリ カシラの天地・33.8ミリ
4万5千円 御礼売却済

 


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